先日、尊敬する治療家の先生から、自分の患者の友人を紹介するとご連絡が
患者さんからご紹介いただくことはたまにあるのですが、その先生からの紹介ということで
恐れ多いやら、その先生の顔に泥を塗らないようにしっかり治さないと!と緊張するやら・・・
数日後、その患者さん(40代男性)が遠路はるばる電車で来院されました
訴えとしては左脚のしびれ、お尻側の両足の付け根の痛みで
お医者さんには検査ののちに「ヘルニアですね。手術しましょうか?」とあっさり言われたが
「いやいや、そんな簡単なもんなの?」と感じて友人に相談したところ
治療家の先生を紹介される → その先生に私を紹介された、、、とのこと
問診表に記入いただき、さらに詳しく問診や徒手検査
SLR、パトリック、ニュートン、アダクションドロップなどの各種徒手テスト
筋力テストに加えて触診も行います
テストと問診の結果、、、問題なく治ると思ったので
今の状態やしびれの原因として考えられること、施術について説明をさせていただき
施術を行うこと数回、、、
しびれは軽減し、痛みで歩けなかったのがショッピングモールを普通に歩けるように
長時間立っていることもできるようになっていただけました
「ヘルニアなのに???」と思われた方は多いのではないでしょうか
腰痛の原因と思われているヘルニアですが、実はあまり関係がないことが海外での研究結果から分かっています
一例として
・健常者でも椎間板ヘルニアは76%、椎間板変性は85%ある 1995年
(痛みを訴えるヘルニア患者と健常者を同じ人数でMRIで比較した結果)
・椎間板変性と腰痛は関連なし 1997年
(さまざまな職業の男性149名対象にMRIで一年間追跡調査の結果)
ようするに、
加齢に伴って誰でも椎間板はひしゃげたり変性し、ヘルニアになることもあるが
それが元で「痛み」の原因にはなっていない
ということです
実際、ヘルニアの手術をしても痛みが取れない方もいます
言い換えれば
それ以外に原因があって、痛みが出ているということ
原因を見極めて、そこにきちんと正しくアプローチすれば治すことができます
(排尿障害などレッドフラッグがあるものは即手術などの対応になりますが)
しびれに関しても「しびれるから神経に問題がある」というのは
少し早とちりでは・・・?と思います
正座をし続けるような、ずっと圧迫されたような状態が続くと「しびれ」を感じますよね?
慢性腰痛に関することもNHKで取り上げられ、ようやく最近になって理解が進んできたように感じます
さて、もう一度さっきの患者さんに話を戻して
この患者さんはヘルニアではなく筋・筋膜性疼痛による痛み
しびれはその他の既往歴からくるもので、対処可能なものでした
この方のように、筋・筋膜性疼痛が原因で痛みを訴える方はとても多いです
もしあのまま手術をしていたら、、、?なんて
その患者さんとはもう、笑い話になっています